管理職の転職と35歳転職限界説

35歳で転職活動は限界を迎える、という説が有名な現在。企業にもよりますが、役職者になるのはその頃の年齢の方が多いのではないでしょうか。「役職者になれば、35歳限界説は関係なくなる」と考えている方、反対に「役職者になったとしても有効だ」と考える方もいらっしゃるでしょう。

今回はどちらの方にとっても気になるテーマである「管理職の転職は本当に難しいのか」と、転職時に参考にしたい成功のポイントについてご紹介していきます。

管理職の転職が難しいと言われる理由

企業に勤める管理職は“つぶし”がきく職種だと思っている方も多いですが、置かれた状況によっては転職が難しいケースがあります。関連のある業界・業種であれば、転職しやすいケースも多いですが、予想以上に転職活動が厳しくなる場合もあります。その理由を5つご紹介します。

1.年齢と経験が合っていない
2.条件に合う求人が少ない
3.選考だけの情報ではスキルが見えにくい
4.自分の価値・能力を適切に判断できていない
5.プロパーに比べ、社内事情が把握しきれない

詳しくご紹介していきます。

1.年齢と経験が合っていない

管理職でなくても年齢と経験が合っていない場合は、転職が難しいケースの方が多いです。特に新卒で入社してからずっとその企業にいる、転職してから長期間経っているなどの場合は他の企業との関わりが断絶されてしまうため、勘違いする可能性が高いです。

そのため、自分の年齢と経験のバランスが労働市場に求められている能力とずれていることに気が付かないまま過ごす場合が多いのです。

2.条件に合う求人が少ない

業務内容に応じた年収の基準は企業によって異なります。その基準が他社よりも優遇されている企業で勤めていた方は、転職をしようとすると年収ダウンが確実ということも考えられます。その場合、条件に合わない求人が多くなるため転職が難しくなる場合があります。

3.選考だけの情報ではスキルが見えにくい

選考だけの情報の場合、求職者側はいかようにでもプレゼンができます。プレゼンされた成果が本当に求職者の高いマネジメント能力やリーダーシップによるものか、部下の社員が単に優秀だったのか、たまたま運が良かっただけなのかは企業側が判断することが難しい場合が多々あります。そのため、企業側としてはその求職者を採用すべきか迷うケースが多いのです。

4.自分の価値・能力を適切に判断できていない

たまたま運が良かったことを自分の力だと勘違いしている、あるいは謙虚に自分の能力ではないと考えている役職者もいます。同じ能力であっても求職者個人のバイアスがかかった情報を選考でプレゼンされるわけです。企業としてはその求職者が自分の能力を適切に判断できているのかどうか、質問で推測しなくてはなりません。

例えば、その求職者の働きぶりや成果がメディアに取り上げられるレベル、あるいは他の人の推薦があればある程度客観的なデータが入ってきます。そうでない場合、企業側は曖昧な情報を基に、選考をするしかないのです。

このように不確かな情報よりは管理職未経験の20代若手人材を採用し、働きながら仕事のやり方を学んでもらいながら管理職へ育てるという方法を取ることを好む企業も多いです。

5.プロパーに比べ、社内事情が把握しきれない

転職組の管理職は、社内の人間関係、力関係、組織の成り立ち、仕事あるいは稟議の進め方、上司や部下の特徴など、社内に長くいなければわからないスキル以外の部分を知りません。管理職の仕事をうまく進めるにはこの情報が必要とされるケースが多く、成果を上げることにも大きく影響します。

会社によって常識や人間関係はもちろん異なります。しかし管理職の仕事は、会社の常識や人間関係をしっかり認識して行動することが求められるのです。そのため、管理職の経験があってもその会社の常識を知らないことがネックとなり、採用されないこともあるのです。

こういった5つの事情から、管理職の転職が難しくなる状況が生まれるのです。

「課長」だと転職は厳しい?

会社において中間管理職となる、「課長」職。多くの部下を管理し、部長との板挟みになることもしばしばある職種です。
課長の仕事としては、下記のようなものがあります。部下の仕事がうまく進むようなサポート能力、課(グループ)などがうまく運営されるような仕組みつくり。プレイングマネージャーも増えていますから、個人の仕事も並行して行う必要があります。

つまり課長職は組織でのルールを把握して部下の指導、企業方針や上司との調整、個人業務など、さまざまな仕事を同時に行うという難易度が高い仕事です。

外部から採用するよりも内部登用する方向性をとることも多く、転職が難しくなる可能性が高いといえます。

管理職の転職を成功させるポイント3つ

管理職の転職を成功させるには、3つのポイントがあります。

1.エグゼクティブ向け転職サイトやエージェントを活用する
2.客観的なデータによる成果と、成果を上げられた理由を伝える
3.入社後に協力者を見つける

しっかり抑えて、転職活動に活かしてみてください。

1.エグゼクティブ向け転職サイトやエージェントを活用する

リクルートエージェントビズリーチなどの管理職記事も豊富に掲載されている求人媒体への登録。転職エージェントによる紹介を利用する、あるいはハイクラス求人を抱えていることでも有名なJACリクルートメントなどのヘッドハンターを利用するなど、さまざまな方法があります。

求人媒体によっても管理職案件に強いかどうかは異なりますので、年収ベースが高い媒体やエージェントを選んで探すのがおすすめです。

【こんな記事も読まれています】
>> 《40代・中高年に強い》評判のおすすめ転職サイト・転職エージェント比較一覧

2.客観的なデータによる成果と、成果を上げられた理由を伝える

選考情報だけでは判断しにくい管理職募集ですが、できる限り誤解を生まないように求職者側が情報を丁寧に伝えることも大切です。

客観的なデータを使えば成果を正確に伝えることができ、さらに成果を上げるために行ったことをプラスして伝えることで単なるラッキーが呼んだ成果ではないことが伝えられます。その求職者個人の「管理職としての能力が影響したからこそ出た成果である」と伝えることができるのです。

3.入社後に協力者を見つける

転職の成功は転職する前だけではなく、転職した後にも重要なポイントがあります。転職してから管理職として成功するためには、協力者を見つけることが非常に大切です。プロパーと同じように時間をかけて、組織ルールを身に付けることはできません。

効率的に身につけるために、協力者を見つけましょう。協力者から注意すべき点を教わることで短期間にキャッチアップし、業務に活かすことができるようになるのです。

管理職の転職に成功してさらに明るい未来を手に入れよう

転職が難しいといわれる管理職でも、5つの理由の背景とご紹介した3つの成功ポイントを抑えて活動すれば成功に近づくはずです。管理職として転職を考えている方はぜひ、こちらの記事を参考に必要な能力やプレゼン方法を身につけてみてくださいね。