中高年の将来はどうなる?

中高年で役職者経験がない場合、転職をしても正社員で雇用されることは手に職でもつけていない限り厳しいのが現状です。この状況では転職自体を諦めるべきなのか?それとも転職を成功させられるように資格取得をするなど、別の方向に努力を行うべきなのかなど、参考にしたいポイントをご紹介していきます。

この年代で仕事探しに苦戦しないように、今から準備を進めてみてください。

中高年の再就職は困難?その理由とは?

◯中高年の転職市場

年収が上がっていくピーク年齢が50代の前半に訪れますが、それ以降は定年に向けてどんどん年収低下、あるいは早期退職を募られることも多いです。30代で住宅を購入し、ローンを組んでいる場合はまだまだお金がかかりますから、退職をした後にもお金を稼ぐために再就職をすることも必要になってきます。

しかし、中高年と呼ばれる40代以上の方々に対する求人は、30代までと比べて急激に減少していきます。30代までと同じような感覚で仕事を退職し、再就職をしようと考えても想像している以上に厳しい状態がまっています。そのため、なかなか仕事が見つからない状態で数ヶ月が経ってしまう、あるいは仕事自体が見つからないなどのさまざまな困難に直面します。

その状況が続くことによって仕事についていない空白期間(ブランク)ができ、企業がそれを嫌がって転職ができないという負のスパイラルに入ってしまうことも多いです。

◯中高年の転職、再就職が厳しい理由

中高年の転職や再就職が厳しい理由としては、下記のものが挙げられます。いずれの点においても、若い年代の方と比較して能力が低くなっていくことで採用を避ける傾向が強まっていくのです。

・物覚えが悪い

若いときに比べて脳も老化していきますから、一度で物事を覚えられなくなっていきます。若い方と比較すると、どうしても作業効率が落ちてしまう感が否めません。わざわざ中高年の方を採用するよりも…と考えて、採用を控えてしまうという企業側の理由も理解できます。

・体力の低下

こちらも若い方に比べて劣っている部分です。どうしても体力的にずっと立っていることが厳しくなる、あるいは素早く動けなくなる、肩が上がらなくなるなどの体力的な問題を理由に作業効率が落ちてしまう部分もあります。

・柔軟性の欠如

年齢を重ねた分、自分の考えに自信をもつ部分も増えていきます。また、若年者からアドバイスを受けたとしても、なかなか素直に聞くことができなくなるなどのプライドが邪魔をする場合もあります。

こういったことを考慮しながらマネジメントすることを考えると、若い方を採用することの方がメリットと感じる場合が多いのです。

・働く年数の減少

年齢が高くなっていくと、その分定年までの時間がなくなっていきます。40代の場合はまだ正社員採用をしてもらえる場合もありますが、50代以上になってくると、働く年数があと10数年であることもあり、同じ会社に勤めていても年収が減ってしまうことが多いです。

転職をしようと考えた場合はさらに年収が下がることも予想されますので、生活の安定と働き方のバランスで転職するかどうかを検討することも大切です。

このように年齢が定年に近づくにつれて、正社員としての雇用をするメリットがなくなっていきます。中高年の方の能力が若い方と比べて高まることというと、若い頃の経験を基にした判断力や熟練した技術などがあります。そういった経験がない場合や、新たな領域に転職を考えた場合はなかなかうまく転職先を見つけることができなくなっていくのです。

中高年の再就職には資格取得をしたほうがよい?

転職市場としても厳しい中高年の再就職ですが、資格取得をすれば状況は変わるのでしょうか?実際に取得に動く前に、知っておきたいポイントをご紹介していきます。

・資格取得後の就職先

資格取得をすれば働けるだろうと考えて資格取得を始めてみたものの、実際には就職できる間口が非常に狭く、転職の支援にならないという場合もあります。資格取得をして効果的なのは若年層のみで、中高年は他の転職と変わらず資格取得をしても厳しい状況が変わらないということもあります。

また、資格をとっても実務経験がなければ、採用がされないケースも多いです。自分が取ろうとしている資格がどのような性質をもった資格なのかをよく確認した上で取得を検討することをおすすめします。

・難易度と自分の能力の確認

取得する資格もあまり難易度が高いものを選ぶと、取得自体に時間がかかり再就職をより厳しい状態に追い込んでしまう可能性もあります。自分の学力と勉強にかけられる時間、そして費用を考えて、現実的なラインはどの資格なのかなど選定をしてから勉強を始めることをおすすめします。

今の会社から早期退職を言い渡されそうだという状況や、どうしても転職して環境を変えたいと考えているのであれば、このような観点をもった上で取得する資格を選び、新たなキャリアを作るのもおすすめです。もし定年まで勤務できそうだけれど、環境を変えるために転職したいと考えている場合は、できる限り退職という道を選ばずにキャリアのプラスになるような勉強を始めて環境を自分で変えるなどの努力をすることをおすすめします。

すでにリストラされている場合などは、資格取得に役立つ仕事を選んで再就職を決めて働きながら資格取得をすることで年収を引き上げていくという方法がおすすめです。正社員にこだわると仕事自体にありつけないケースもありますので、正社員に固執せずに転職活動をすることも検討する時期を決めておきましょう。

中高年の再就職は慎重に

中高年の転職が大変ということはなんとなく頭に入っていても、結局どうすれば転職ができるのか、資格取得についてはどう考えればいいのかわからない方も多いです。そんな方のために中高年で転職をする難しさ、そして資格取得前に検討すべき考え方をご紹介しました。

30代以下の方のように簡単に転職を決断せず、いくつもの可能性を検討した上で転職や再就職先を選ぶようにすれば、充実したキャリアを描いていくことができるはずです。