50歳以上の転職年収相場とは?
50代以上のシニアで転職をする場合、年収の相場としてどのぐらいが妥当なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。一般的に出ている50代の平均年収は転職したときの金額ではなく、勤め続けた会社からもらっている年収であるケースが多いためあまり参考になりません。
基本的には長く勤めた方に対してある程度の配慮してくれるのが、日本企業の特徴です。転職した瞬間に、「前職と同じような給与をもらえる」という風に考えるのは非常に危険です。
また、50代になると親の介護や自身の健康不安、子供に対する援助などさまざまな状況の変化が訪れます。それらを頭に入れながら転職を検討することが軽はずみな転職を防ぎ、理想的なキャリアを描くことにつながります。
そこで今回は50代の転職年収の相場についてご紹介していきます。ぜひ参考にして、これからの生活をイメージしてみてください。
50代の平均年収、男性女性別にご紹介
50代の転職年収についてご紹介する前に、50代の男性女性別の平均年収についてご紹介していきます。
転職サービスdodaの調査によると、下記のような平均年収が挙げられています。
50代全体のデータと年収分布
平均年収(全体) | 661万円 |
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平均年収(男性) | 707万円 |
平均年収(女性) | 445万円 |
50代全体の平均年収は661万円。男性の平均年収については707万円、女性の平均年収は445万円となっています。また平均年収の中で特徴的なのが1000万円以上の方が全体の16.9%と一番多く、その次に400万円から500万円未満の14%。
300万円から400万円未満が13.5%、500万円から600万円未満が12.9%という結果になっています。
1000万円の数が一番多いため、平均年収が上振れしてしまっている可能性が高いと考えられます。エグゼクティブ以外の50代で考えていくと、300万円から600万円の間が一番多い状態になります。そこから転職をする場合、同程度の年収~100万円程度下がることも予測されます。それも考えて転職をすべきかどうかも検討することが必要となります。
出所:「転職サービスdoda 平均年収ランキング2017年齢別」2016年9月~2017年8月末までの間に、dodaエージェントサービスに登録した20~59歳のホワイトカラー系職種の男女
なぜこのような形式になるかというと、20代はサラリーマンとして会社に求められていることや仕事自体を覚えていくフェーズ、30代は経験を活かして成果をバリバリと上げるフェーズ。
40代は管理者として部下を統制して成果を上げるフェーズ、50代はさらにその上の段階の管理を行い、全体を見渡して組織を運営するフェーズとなっています。
つまり、20代から積み上げてきた仕事で一番インパクトのある成果を発揮できる時期が50代というわけです。そのタイミングで転職をしてしまうと、積み上げたものが会社が変わってゼロの状態ですので、同じだけの給与を出すことができないという状況に陥るのです。
もちろん経営者や管理者としての手腕がめざましく、他の企業からスカウトがくるような方であれば年収のアップも考えられます。しかし、一般的な管理職レベルの場合は少し年収がダウンすることも十分考えられます。管理職でない場合に関してはさらに年収が下がる可能性があるので、転職の際は注意しましょう。
定年後の再就職で得られる給与水準
50代で転職を考えていない場合でも、定年後再就職をすることを考えている人も多いはずです。もともと勤めていた企業で嘱託社員として雇ってもらえる場合はよいのですが、そうでない場合も多いです。
再就職の場合はこれまでもらっていた金額よりも大幅にダウンする可能性があるため、1000万円以上もらっている方でも年収300~400万円というイメージを持っておきましょう。これだけ年収がダウンした場合、どのように働いていくかを想定しておくことは非常に重要です。
退職金が数千万円もらえる企業であればよいですが、そうでない場合は事前に生活水準を調整して年収が下がっても暮らしていけるような状態にすることが必要になります。長期的な投資をして資産を増やす、複業をして別で収入を得る準備をしておくなどの工夫を最低でも50代から行っておくことが不可欠です。
自分の年金はどれほどもらえるのかも含めて計算をしておき、老後の計画を立てておきましょう。
50代の転職は慎重に
50代は老後のことや親のこと、家庭があれば自分の家庭のことなど背負うものがたくさんあるため、あまり簡単に転職を決めることができない年齢です。20代や30代のように求人の案件数が非常に多く、誰でも転職ができて転職で年収を大幅にアップさせることも難しい状況です。
定年後にもらえる年収や退職金、年金、老後の資産なども含めて考えることで今後の生活を具体的にイメージすることができます。生活がイメージできれば、自分の求める働き方なども考えやすくなります。ぜひ自分のセカンドキャリアとしてどのような転職を行うか、よく考えてから転職活動を始めてみてください。