50歳は早期退職の誘惑がある

50代になると定年が近づいてくる年齢です。そのため、少し早い老後の人生を歩もうと、早期退職制度に応募し、仕事を辞めて退職金、貯蓄でのんびり暮らしたいと思う方も多いのではないでしょうか。

一方で、退職したとしても65歳まで年金が支給されません。そのため、生活費の心配や、住宅ローンが残っている場合はその支払いも気になるところです。

では、50代の早期退職というのはあなたにとって良いことなのでしょうか。50代の早期退職についてお話ししたいと思います。

早期退職は早まってはいけない

2014年の日経新聞の記事によれば、57歳、大企業に在籍して支払われる退職金は平均で2000万円だというデータが出ています。また、その記事には裕福な生活をするには35万円、最低でも22万円が必要という試算が生命保険文化センターの意識調査で出ています。また、65歳から夫婦で年間280万円の年金が支給されます。

上記をもとに、月間30万円で57歳から65歳まで生活したとして、この時点で2880万円かかります。少なくとも退職金+900万円かかる計算となってしまいます。

さらに、年間280万円の年金がもらえるとして、月間30万円の生活をしていると、毎年70万円の赤字が出てしまう計算となります。つまり、悠々自適な生活を早期退職・年金生活で行うにはそれ相当の貯蓄が必要となってきます。

つまり、悠々自適な早期退職生活を行うには、お金のことを常に気にしながら生活をしなければならないということになります。

また、中高年になると健康問題があり、医療費に余計なお金がかかってくることも言えます。つまり、悠々自適な老後の人生を歩むのは難しいということが言えるのです。安易に定年前の早期退職というのは行わないほうが良いといえるでしょう。

むしろ、年金がもらえる65歳まで働いて必要なお金を稼いで、65歳から年金と貯蓄で食べていくというのが無難だと言えるでしょう。

また、最近は退職金を支給しない会社も増えてきました。一部の大手企業に在籍していない方には65歳まで働くのは必須といっても過言ではないでしょう。

貯蓄だけでは不可能!?早期退職には資産形成が必要

では、早期退職生活を実現させるにはどうすればいいのかというと、貯蓄プラスアルファの資産形成が必要です。その代表といえば株式や外貨などの「投資」です。毎月の給与や賞与から貯蓄のお金と投資のお金をしっかり押さえ、資産を運用していくことでこの生活が実現できます。

ただし、情報収集とセンスが求められます。投資に関する情報はインターネットなどで収集することができますが、センスは本当にある人とない人とでは運用益が出せる出せないの差がでてきます。

また、投資に割く時間の捻出も大変でしょう。早期退職をどうしてもしたい方にはこのように給与以外の収入を作っておくことが重要で、その最たる方法は投資となりますが、熟練者向けの方法なので皆にお勧めできる方法とは言えません。

簡単に仕事を辞めてはいけない

一時の思い付きで早期退職をしたものの、やはり働きたいと考える方も出てくるでしょう。しかし、50代からの転職・再就職は簡単ではありません。

転職サイトや人材紹介のサービスを利用して新しい職場を探そうにもなかなか50歳以上をターゲットにした求人はなかなか存在せず、希望通りの仕事に就けるわけではありません。

社会人が一度ブランクができてしまうとそこからやり直すのは決して簡単ではありません。会社を早期で辞めることでお金が入ってこない苦労に、新しい働き口が見つからない苦労も想定されます。

一度やめてしまえば同じ仕事はできないと考えた場合、50代の方にとって、いま在籍する企業にしがみつくくらいの姿勢も本当に必要なことだと認識しておくといいでしょう。

一方で、今海外ではアジア諸国を中心に、機械・電子系の設計技術者などが求められている状況もありますし、医療系の職種であればなかなかいない人材であれば60歳を過ぎても採用されるケースもあります。

新しいことをやってみたいと思っている方がいるのであれば、退職する前にそういった情報収集のために転職エージェントを利用してみるのもいいでしょう。

定期的な収入があることが最も余裕の生活が送れるという事実がある

いかがでしたでしょうか。働くことは大変なことが多いです。早めに会社を辞めて老後の悠々自適な生活を送りたいと考える気持ちも非常にわかります。

しかし、今の世の中生活をするというのは本当に大変なことです。会社を辞めることで、今後の生活が見えなくなってきますし、不安を感じて転職・再就職をしようにもなかなか受け入れてくれる企業がないのも事実です。

2017年になり、東京都の有効倍率は2.0倍を超える時代となりました。そんな現状においても50歳以上の就職というのは簡単ではありません。今の条件で働けるという保証もない以上、安易な早期リタイヤというのは避けるべきアクションであるといえます。