中央値と平均値の違いは?

みなさんは40代の平均年収をご存知ですが?dodaの調査だと、2016年の平均年収は564万円で、男性の平均が616万円、女性が425万円です。この金額を見て、「そんなにみんなもらっているんだ!?」って思われる方もいるでしょう。ただ、「中央値」という数値を見ると少し違った数値が出てきます。

その前に「中央値」ってあまり耳慣れない言葉だと思うので最初にお話しすると、平均値はサンプル数のすべての合計を人数で割った数値ですが、「中央値」とは、すべてのサンプルを並べた真ん中の人の数値です。つまり、年収でいえば、9人の年収の平均値を出す場合は9人すべての年収の合計して9で割った数値が平均値、中央値は9人の年収を並べて5番目の年収の人の金額が「中央値」です。

では、この「中央値」と平均値、また他の数値を見ることで40代の年収の実態を見ることができます。では、どんな実態が浮き彫りになってくるのでしょうか。以降でお話をさせていただきます。

40代の年収の平均値と中央値を比較して

それでは40代年収の平均値と中央値を見てみましょう。上述の通り40代の平均年収は564万円ですが、中央値は550万円と少し低めの金額になります。とはいえ、ほとんど誤差に近い金額です。

平均値も中央値も変わらないため、中間層はこの561万円という金額になってきます。にもかかわらずなんで、実感として「みんなそんなにもらっているの!?」という感想が出てくるのでしょうか。

もう1つ40代の年収に関連したデータを見てみましょう。40代の年収の分布図です。こちらもdodaで集計された2016年のデータで下限を300万円未満、上限を1000万以上として100万単位で区切ってその分布を集計したものになります。

このデータにおいて、もっとも多い年収層は400万円以上500未満の層で18.1%、次に多いのが300万円以上400万円未満の16.7%、次いで500万円以上~600万円未満の16.1%となっています。つまり、400万円以上、600万円未満の層で50パーセントを占め、ここに次点の9.2パーセントを占める300万円未満の層を加えるとおよそ60%が600万円未満の年収層ということになります。

逆に上の層を見ると、1000万円以上が7.3%、900万円以上1000万円未満が3.9%、800万円以上900万円未満が6.1%、700万円以上800万円以上が9.1%、600万円以上700万円未満が12.1%となっています。上の年収層に行けば数は減ってきますが、それでも満遍なく各年収層に人口が分布しています。

このデータを見ると、平均値も中央値も500万円中盤くらいの年収となり、この数値というのは平均値と言えます。ただし、その年収層の人が集中しているというわけではなく、分散した年収層の中で真ん中を見たら500万円台中盤であるということです。20代の年収分布を見ると500万円未満の層に90%弱の年収層に固まっている点からも非常に特徴的な結果です。

年収分布が分散する理由

では、なぜこのような年収分布が分散することになるのでしょうか。結論から言えば「収入格差」です。それではなぜ収入格差が出てくるのでしょうか。大きくは3つの要因があります。

① 仕事の成果や所属している会社の規模

40代は大卒の方であれば、仕事をはじめて20年といった期間を経ています。20年も仕事ができる人とそうじゃない人、努力した人とそうじゃない人の差がはっきり表れてきます。また所属している会社の規模が大きければ、年収も上がってくる年代です。

② 大卒・高卒の違い

厚生労働省の調査によると、大卒で40代前半男性の平均年収は517.7万円であるのに対し、高卒男性は373.4万円と、150万近くの年収差が出てきます。普通に会社勤めをしていると、大卒社員の年収は上がるのに対し、高卒社員の年収は頭打ちになってくるという事実もあります。学歴格差というのもこのデータから歴然となっています。

③ 地方格差

東京都と地方の地方格差もあります。厚生労働省の調査だと東京都の平均年収は605万円だそうです。もちろん、平均値なのでこれをこのまま全体平均と捉えるべきではありませんが、少なくとも東京ではこの数字を稼げる土壌があるということです。

対して平均年収が一番低い都道府県が沖縄県の349万円です。この数字を見ると、少なくとも東京都と地方の地方格差を感じられる数字であります。

社会人になった20代前後では多少の格差はあれども割と近い年収格差でしたが、年齢を経て、積んだ経験や大卒・高卒の別、住んでいる地域などあらゆる理由で年収格差が生まれてくるということです。

40代で年収格差は如実にあらわれてきます

いかがでしたでしょうか。日本もアメリカほどじゃないまでも年収格差は発生し、40歳を過ぎるとそれは如実にデータが示しています。「お金じゃない」ということをいう方ではありますが、実際のデータをみてどうお感じになられましたでしょうか。所得は人生設計をするうえで貯蓄ができる・できないという点でも重要です。

お金を得るためにはお金の情報が重要です。しっかりお金の情報を得て、所得・貯蓄を増やすための方法をしっかり考えてみてみてはいかがでしょうか。