40代女性が管理職になるために知っておきたい現状とは

「2030」(2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする)という政府の目標に則り、女性管理職を増やそうとする企業が増えていますが、今年度の政府調査で6.9%という現状。一昨年から1年で0.2%、昨年から1年で0.3%の上昇という微々たる改善に留まっているのはご存じでしょうか。

もちろん女性が管理職になるのに追い風が吹いているのは間違いないのですが、「無能な女性を管理職にした」「企業に女性活躍という特徴を持たせようとしてやっている」という社内反発や同世代男性の嫉妬などがあるのも事実です。

この記事では、管理職になろうとしている40代女性のためにさまざまな情報をご提供していきます。

女性が管理職になるメリット・デメリット、課題、管理職になるためのポイントをご紹介していきます。管理職を目指す方はぜひ参考にして、心がけながら転職活動を行ってみてください。

なりたくない?なりたい?二極化する女性管理職

女性管理職比率を上げる目標があるのになりたくない女性が多いのはご存じでしょうか?これから管理職になりたくない三大理由をご紹介していきます。

◯女性が管理職になりたくない三大理由

・女性が働くのに適した制度が整っていない

仕事をバリバリやってキャリアを磨き、上へ上へとかけのぼっていく女性。企業にもよりますが、今管理職で活躍している方の多くは、女性が働きやすい制度が整って自然に増えたのではありません。女性が男性と同様の働き方をして認められ、管理職になっているケースが多いのです。

以前から変わらない環境で「2030」に取り組んでいるだけのため、始めてから2年たっても女性の管理職割合が低い状態が続いています。

・真似できそう、したいロールモデルがいない

男性のように働いてきた女性上司は若手の女性にとって「結婚せず、プライベートを犠牲にしてきた」「男性と同じように過ごしてきたから性格も男性っぽくなってしまうのでは」と見えるケースも多いです。自分がなりたいと感じるロールモデルではないと感じてしまうのです。

また、結婚して子育てしていてもうまく時間配分ができ、両立できる「スーパーウーマン」の場合も、自分には到底無理と思わされてしまうため、管理職になりたくないと感じてしまうのです。

・適性がなく、周りに迷惑がかかる(と本人が思っている)

3つ目の理由としては、なりたくないと思っていても会社の方針で無理やり職に就かされたという場合です。そんな女性は「管理職に登用されたものの、適性がなく悩んでいる」状況に陥ります。やれると確信できる前に任され、丸投げされてしまうと「やっぱり女性は管理職に向いていない」などの考えを持つ男性も出てくるのでよりやりづらい状態になります。

きちんと自分自身と向い合えば「適性がないのではなく、教育が足りないだけ」などと気がつけるのですが、ロールモデルが少なく、気がつけないケースが多いです。この場合、周りに迷惑をかけてしまった、あるいは男性からの管理職不適合発言などで挫折し、候補人材がいなくなってしまうことも多いです。

女性が管理職になるメリット・デメリット

次に女性が管理職になった場合に考えられるメリットとデメリットをご紹介します。※女性だけでなく、管理職全体のメリットも紹介しています。

◯メリット

・収入が上がる

当然ですが管理職手当がつくため、収入がアップします。通常の業務ではなかなかあげられない昇給幅の収入アップが得られるため、大きなメリットと感じる人も多いはずです。

・市場価値が上がる

管理職経験があれば、自然に市場価値が高まります。転職の際、高い年収ベースで交渉もできるので転職先選びの自由度を上げることができます。

・事業に関わる醍醐味が得られる
管理職になれば知ることができる情報の範囲も広がるため、自分が行う仕事の価値や事業の関わりを随所に感じることができます。これによって、よりやりがいを持って働くことができます。

・(女性の得意な)コミュニケーション力が活かせる

女性ならではのコミュニケーション能力を活かすことができます。女性は子供を産み育てるために、言葉のしゃべれない赤ちゃんの意思を読み取る能力に長けています。これは赤ちゃん以外の人であっても活かすことができるのです。

「この人は今嫌がっている」「本当はこうしたいはずだ」など、他の人が口には出さない情報も敏感に読み取ることができます。管理職がメンバーマネジメントをするときに必要な細やかな気遣いをする能力があるのです。

・(女性の得意な)育てる達成感が得られる

こちらも子育てに付随しますが、管理職はメンバーを育てることが仕事です。メンバーが徐々に育ってくれれば自分の関わった意味を感じることができるため、さらにモチベーションをアップさせることができます。

このように管理職にならないと体験できないメリットも多いため、管理職になりたくないと感じている女性にこの情報を伝えることが重要になります。

◯デメリット

・責任が重たい

デメリットの一つとしてはメンバーで働いているときよりも、責任が重たくなることです。メンバーが犯したミスの謝罪をしにいくなど、最後責任をとらなければなりません。

上司の仕事は部下の責任を取ることでもありますが、部下を育ててミスをなくせばこの責任をデメリットと感じることもなくなっていきます。

・魅力的ではない

管理職という名前だけで実際は管理監督する権限なしで昇給幅も少なく、残業代がつかなくなるなどやりがいが感じられない管理職も存在します。この場合は会社の制度を変えるか、転職するしか方法はありません。管理職になれば発言権はメンバーのときよりも増しますので、自分の働きかけで変えて行くことも可能になります。

・ワークライフバランスがなくなる(と思っている)

これまでのロールモデルが男性と同じように働いてきた上司しかいないため、ワークライフバランスが一切なくなると考えている場合が多いです。

メンバーをうまく育てて管理することができれば、任せることができるようになります。結果、自分から手が離れる業務が多くなり、実際は時短もしやすくなります。

デメリットと感じていることも自分で変えることができる可能性が高いですし、自分の働きかけによって大きく状況が変化する場合が多いです。デメリットもすべてメリットに転ずる可能性も十分ある魅力的な仕事です。

女性管理職比率問題で浮き彫りになる悩みや課題

女性管理職の割合を高めていくにあたって、悩みや課題となる部分があります。それは企業の制度改革と男女共にすべき意識改革です。

企業は女性が物理的に動けなくなる案件をどうカバーするかを考える必要があります。他の人でカバーするとフラストレーションが溜まってしまうためリモート山田スタイルで働くなどフレキシブルな勤務体系に変えていくことが必要となります

また、男女共に「女性だから」「男性だから」という考え方ではなく、誰もが働きやすい環境を整えて能力を適性に評価できるように意識を変えていくことが求められます。

40代女性が管理職になるために必要なポイント5つ

長いキャリアを積んできた40代の女性が転職で管理職になるために、必要なポイントをご紹介していきます。

・「男と同じ方法が正解」と勘違いしない

体力的にも無理ができない年齢になっている40代は特に、男性と同じ働き方をしないことが大切です。これまでの女性管理職はどのように働いてきた方ばかりですが、これからは別の方法で取り組んでいくことができますし、企業もそれを求めています。

別の手法を編み出すことで、自分の働きやすい環境を自分で作ることができます。

・女性ならではのコミュニケーション力を活かす

赤ちゃんとのコミュニケーションが得意な女性は、きめ細やかなサポートを行うことに長けています。最近の若い新入社員は得に寄り添うコミュニケーションを好みますので、年代に応じて対応を変えてコミュニケーションをとることをおすすめします。

・自分の課題を明確化し、改善する道を描く

自分に管理職の適性がないと思った場合、「それはどの能力なのか」「その能力はどうしたら身につくのかなど細かい部分まで設定することが必要です。

・管理職がゴールではなく、登用されてからが勝負

転職で管理職になったことがゴールではなく、管理職になってから「何をするのか」を明確にしましょう。「管理職」という立場から物事を意識することによって、今までと違う感性が鍛えられるようになります。

・自分が与えられるメリットを伝える

転職して自分が管理職になってから、企業に対して与えられるメリットを考えられるだけ挙げます。その中で1、2を争うインパクトのものを抽出して面接で伝えましょう。管理職になった後のビジョン、そしてメリットまで言及できれば内定の可能性も高まります。もちろんこれまでの経験も伝えるようにしてくださいね。

40代からも管理職にはなれます!

40代女性が、転職で管理職になるために必要な5つのポイントをご紹介しました。制度改革や意識改革が進んでいないことによって、なかなか改善されない女性管理職比率。しかし、なりたくないと考えている方も意識改革でどんどん変わっていくはずです。もちろんなりたい方は今回ご紹介したことをきっかけに、自分のアピールポイントを知ってより効果的に書類や面接に臨んでみてくださいね。